テレビ塔の回転レストラン in Berlin
テレビ塔はアレキサンダープラッツ駅を降りてすぐのアレキサンダープラッツにある、お団子を串刺しにしたような形の現役の電波塔です。ドイツで最も高い建造物であり、ベルリンのランドマークでもあるこのテレビ塔が人気観光スポットであることは知っていましたが、実はあまり期待していなかった私たち。
現地で当日券を買うと入場までに何時間も待たなくてはならないと聞いていた私たちは、事前にインターネット予約をすることにしました。並ばずにすぐに展望台へ上がれるFast View Ticket と回転レストランのテーブル予約がセットになったものがあります。回転レストランの窓側なら1人23.50€、通路側なら19.50€。もちろん窓側を予約しました。QRコード付の入場券はプリントアウトして持って来るようにとのことでした。
いや、でも、まさか、回転レストランがこんなに素敵なところだったなんて・・・!
回転レストラン、その響きはどこか懐かしく、ノスタルジーを感じることはあっても、それ以上の驚きや魅力を期待する人は少ないのではないでしょうか。私たちもそうでした。
でも、それは大きな間違いでした。
朝9時、私たちはベルリンの街並みを一望する回転レストランで、極上の爽快感とリラックスを感じていました。
日本晴れです。ここはベルリンですけどね。日時を指定しての予約なので、もしも雨や曇りだったらこの眺望はありませんでした。
おかげさまで天気にも恵まれて、素晴らしい眺めです。テーブルの真横には大きなガラス窓。360度全てがピカピカに磨かれたガラス窓で、多くの歴史的建造物、観光船が走るシュプレー川、大都会の真ん中にあるティーアガーデンなど、ベルリンを象徴する、ありとあらゆるものがゆっくりとしたスピードで流れていきます。代表的な建物はガラス窓に描かれ、紹介されていました。今は市民の公園となったテンペルホーフ空港が遥か遠くに見えたり、旧東ドイツと旧西ドイツの街の景色の違いを感じたり。回転レストランが何周してもその眺めを見飽きることはありません。
もちろん眺めも最高なのですが、とにかく居心地のよいレストランでした。格式が高すぎず、もちろん低くもなく、丁度よい塩梅なのです。時間制限もありません。素晴らしい眺望に気をとられて、食べ終わるのに1時間半もかかった朝食。私たちは『ベジタリアンのための朝食』13€と、『360°ベルリン』14.5€をいただきました。どちらもシンプルだけど、とても美味しいものでした。ショーケースにはケーキも並んでいましたが、次回訪問のお楽しみにとっておくことにして、今回は見送ることにしました。
あっという間に2時間が過ぎ、そろそろ次なる目的地であるKDW(ドイツの老舗デパート)へ行く時間です。Fast View Ticketがあれば、展望台から下るときも並ばずにすぐに下ることができます。実際、上がるときも下るときも大行列の横を通り抜け、あっという間にエレベーターに乗り込むことができました。来場者数の割にコンパクトなエレベーターのため、Fast View Ticketがなければエレベーターに乗るためにもかなりの時間待つことになります。また、入場のときだけでなく、出口を出るときにも入場券のQRコードを機械に通すので、テレビ塔を出るまでは入場券をなくさないようにしておかなければなりません。
そういえば、回転レストランに入るときに小さなカードを渡されていました。ドイツに来て初めて見た「お客様アンケート」です。テレビ塔を利用した目的、料理やサービスなどの評価を求めています。そして後日、メールで「お客様アンケート」への協力依頼が届きました。私たちにサービスしてくれた紳士は時折、笑顔で”Alles in Ordnung ? (万事OKですか?) ”と声をかけてくれました。そのタイミングも笑顔も満点。サービスも最高でした。
侮ることなかれ、回転レストラン。
ベルリンはやっぱり心を惹かれる街です。
Gastautor: Okubo 著作家